【役立ちコラム】うまみだけじゃない!出汁の5つの効果とおすすめの食材・メニューを紹介

うまみだけじゃない!出汁の5つの効果とおすすめの食材・メニューを紹介

「出汁ってうまみ以外に効果があるの?」

「出汁の活用法を知りたい」

出汁は日本食の要といわれますが、効果や活用法を活かすのは難しいでしょう。

本記事では、出汁に期待できる健康効果を解説したうえで、出汁ごとに取れる栄養をまとめています。おすすめの出汁のうまみを活かしたメニューも紹介するので、出汁を健康に活用したい方は参考にしてください。

出汁に期待できる5つの健康効果

出汁を追加すれば、うまみを増幅させておいしく食事を楽しめます。さらに出汁からは栄養も摂れるので、健康にうれしい効果を得られるでしょう。

出汁に期待できる効果を5つ紹介します。

  • 食べ過ぎを防ぐ
  • 脂肪の蓄積を抑制する
  • 減塩で高血圧を防ぐ
  • 疲れを軽減する
  • 精神を落ち着かせる

それぞれ詳しく解説します。

食べ過ぎを防ぐ

出汁を食事に取り入れると食べ過ぎを防げます。出汁はうまみ成分を豊富に含むので、味に満足感が出るからです。

うまみ成分には、脳の満腹中枢に作用するヒスタミンに変化する「ヒスチジン」と呼ばれる成分が含まれます。満腹中枢が刺激されるため、お腹が満たされやすくなるでしょう。

さらに腹持ちをよく感じさせるため、間食を防ぐ効果を期待でき、余計なものを食べずに済むので食べ過ぎの防止につながります。

ダイエットや生活習慣病でカロリーを気にする方におすすめの効果です。

脂肪の蓄積を抑制する

出汁を活用すると脂肪の蓄積を抑制できます。出汁の作用で交感神経が刺激され、脂肪燃焼作用が活発になるからです。

出汁を使った食事は、自分で調理する機会が多いため栄養バランスの調整がしやすいです。

脂肪を減らしたメニューも管理できるでしょう。

出汁の種類の中でも、昆布で出汁を取れば、食物繊維を摂取できます。食物繊維には老廃物を排出する効果が見込めます。

脂肪抑制効果もあわせて期待できるので、より脂肪蓄積の抑制効果を得たい方におすすめです。

減塩で高血圧を防ぐ

出汁を使えば、減塩効果を期待できるため高血圧を予防できます。出汁でうまみが補えて、味に満足感が出るため、食事の塩分を減らせるからです。

高血圧を抑制する栄養指導でも、出汁を使った食事は推奨されています。

味噌汁をメニューに選べば、出汁の効果とともに味噌の発酵食品の効果も得られます。

味噌自体にも高血圧の予防効果があるため、あわせて取り入れるとさらなる効果を期待できるでしょう。

疲れを軽減する

出汁の主な栄養素はアミノ酸に分類されます。アミノ酸には細胞の生成や血行促進をする効果があるため、出汁を摂取すると疲労回復効果が見込めるでしょう。

血行促進による冷え性対策の効果も期待できます。

出汁を摂取して日々の疲れを軽減させましょう。

精神を落ち着かせる

出汁は、精神を落ち着かせる効果が期待できます。脳内のヒスタミンを増加させ不安抑制効果で落ち着きを感じるからです。

また、出汁の香り成分でリラックス効果が見込めます。出汁のよい香りでホッと一息つけばリラックス効果を感じるでしょう。

うまみ成分で消化管の活性化が促進され自律神経を安定させるため、精神の落ち着きにもつながります。

出汁は脳内、嗅覚、消化管の多方面からリラックス効果を期待できるでしょう。

出汁が取れるおすすめの食材と栄養素を紹介

出汁は食材ごとに取れる成分が変わり、風味だけでなく摂取できる栄養素も変化します。

出汁が取れるおすすめの食材と栄養を紹介します。

  • 【ビタミンB類】かつお節
  • 【ビタミンD】干し椎茸
  • 【食物繊維・ミネラル】昆布
  • 【カルシウム】煮干し
  • 【ケルセチン】玉ねぎの皮

それぞれ詳しく解説します。

【ビタミンB類】かつお節

かつお節にはビタミンB類やたんぱく質、DHA・EPAなどの動物性の食品から摂取できる栄養素が含まれます。

この栄養素は、身体の組織を生成したり、エネルギーの代謝を補助したりする効果が見込めます。

DHA・EPAはオメガ脂肪酸の1種で、血行促進や認知機能のサポート効果が期待され、サプリメントでも有名な栄養素です。

かつお節からは、うまみ成分の「イノシン酸」が摂取できます。イノシン酸はアミノ酸の1種で、かつおをかつお節に加工する際により生成されます。

アミノ酸の1種で組織を生成したり、酵素を構成したりするのに役立つ栄養素です。イノシン酸を摂取できれば、身体の調子を整えるのをサポートできるでしょう。

かつお節から出汁を抽出するのは削り節が手軽でおすすめです。削り節を水に入れてお湯を沸かすか電子レンジで温めると抽出できます。

【ビタミンD】干し椎茸

干し椎茸は、ビタミンDが豊富で骨粗しょう症の予防が期待できます。ビタミンDはカルシウムやリンなどのミネラルの吸収をサポートする効果があるからです。

干し椎茸からは、うまみ成分の「グアニル酸」が摂取できます。グアニル酸はRNAを構成する成分で、干し椎茸に豊富に含まれます。

椎茸が干されて乾燥し、構造が傷つく過程で生成される特徴を持つため、生椎茸では少量しか含まれません。

グアニル酸は、他のうまみ成分を引き出す性質を持ちます。イノシン酸やグルタミン酸などとあわせてうまみパワーを増幅できるので、他の出汁と一緒に活用しましょう。

干し椎茸からグアニル酸を抽出するには、水でゆっくりと干し椎茸を戻すと出汁が抽出できます。少し時間がかかるので、前もって準備するとスムーズに調理が進められるでしょう。

【食物繊維・ミネラル】昆布

昆布は食物繊維やミネラルなどを豊富に含み、コレステロール値の抑制や動脈硬化を防ぐ効果が期待できます。

食物繊維は体内の老廃物を排出する効果を持ちます。そのため、ダイエットやデトックス効果が見込めるので美容や健康が気になる方におすすめです。

昆布からは、うまみ成分の「グルタミン酸」が抽出できます。グルタミン酸はアミノ酸の1種で、たんぱく質を構成しますが、体内で生成できない栄養素です。

たんぱく質の合成や神経の調整作用など、健康をサポートする効果を持っているので積極的に摂取しましょう。

昆布を水に入れて一晩おくと、グルタミン酸を含んだ出汁を抽出できるので手軽でおすすめです。

【カルシウム】煮干し

煮干しはたんぱく質やカルシウム、DHA・EPAなどを含む食品です。そのまま骨ごと食べられるのでカルシウムを豊富に摂取できます。

カルシウムは骨や歯の丈夫さの素になる栄養素です。骨粗しょう症が気になる方は積極的に取り入れるのがおすすめです。

煮干しの硬さが気になる場合は細かく砕いたり、煮てやわらかくしたりすると食べやすくなるでしょう。

煮干しからは、うまみ成分の「イノシン酸」が抽出できます。かつお節と同じうまみ成分ですが、かつお節より酸味が弱く香りも強いです。

煮干しから出汁を抽出するには、煮干しを水に入れて火にかけて煮出すと抽出できます。煮込んだ煮干しもやわらかくなり食べ安くなるのでおすすめです。

【ケルセチン】玉ねぎの皮

玉ねぎの皮は「ケルセチン」を多く含みます。ケルセチンとは、ポリフェノールの1種で、抗酸化作用があるため老化防止や細胞活性化が期待できます。

ポリフェノールとは、植物の皮に豊富に含まれ色素や苦み、渋みの素になる成分です。抗酸化作用を持つので美容や健康をサポートできます。

玉ねぎの皮からケルセチンを抽出するには、10分ほど火にかけて煮込むと抽出可能です。

煮込んでいると水が色素成分なので玉ねぎの皮の色に染まります。玉ねぎの皮自体が気になる場合はこして取り除きましょう。

出汁を使ったおすすめメニュー3選

出汁を使うと素材自体の味を損なわずに、風味豊かな食事を楽しめます。

出汁を使ったおすすめのメニューを3つ紹介します。

  • 味噌汁
  • 湯豆腐
  • 玉ねぎスープ

それぞれ詳しく解説します。

味噌汁

出汁を使うメニューと聞いて、味噌汁を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。味噌汁は、かつお節や昆布、干し椎茸など、どの出汁でもおいしく味わえる定番メニューです。

1種類の出汁を使うだけでなく、合わせ出汁を活用すると、うまみが相乗効果を発揮しおいしさがUPします。

具材は好きなものを入れられるため、組み合わせが豊富で飽きにくいでしょう。あさりやしじみなどの貝類とも相性がよく、二日酔いが気になる人におすすめです。

また、味噌は発酵食品なので整腸作用や生活習慣病への効果が期待できる食品です。高血圧や高コレステロール血症などの生活習慣病にも効果が期待できます。

健康診断のデータが気になる方は、ぜひ積極的に取り入れてください。

湯豆腐

湯豆腐は出汁のうまみや風味を感じやすいメニューです。具材が豆腐のみで、煮込むベース自体に味付けをせず、出汁だけで煮込むからです。

出汁のうまみや味わいを損なうものが少ないため、ダイレクトに出汁のおいしさを楽しめるでしょう。

昆布やかつお節を豆腐とともに煮込むだけなので、手軽に調理できます。出汁を取る際に合わせ出汁にすると相乗効果でうまみを感じやすくなるでしょう。

湯豆腐のメインが豆腐なので低カロリーでたんぱく質が取れるメニューです。ダイエットや美容効果が高いので、体型が気になる方におすすめです。

玉ねぎスープ

玉ねぎスープは玉ねぎの魅力を凝縮したスープです。

玉ねぎと玉ねぎの皮を鍋に入れて5分程度煮込みコンソメで味を整えます。

玉ねぎの皮が気になる場合は、フードプロセッサーで粉末にして溶かすか、出汁バックに入れて皮自体を取り出しやすくしておくのがおすすめです。

ひと手間かかりますが、玉ねぎを飴色になるまで炒めてからスープにするとワンランク上のおいしさになります。玉ねぎの糖分が「メイラード反応」を起こして、カラメルとメラノイジンといううまみ成分に変わるからです。

玉ねぎだけでうまみの相乗効果も楽しめるので、食材が少なくて済む点もメリットでしょう。

栄養満点!出汁と具材をそのまま飲むのもおすすめ

出汁だけでも栄養素は抽出されていますが、具材ごと摂取するとさらに栄養補給できます。

具材から栄養素を完全に抽出できるわけではなく、具材自体に残る栄養素があるからです。

煮込み料理では、出汁を取りつつ、具材を食べるものが多いので、余すことなく栄養素を摂取したい方におすすめの調理方法です。

サラダや豆腐などにかつお節や昆布を薄くスライスしたものをトッピングだけでも、手軽に出汁と具材を取り入れられます。

出汁はいいことずくめの健康法!栄養もサポートしてうまみUP

出汁からはうまみ成分が多く摂取できます。

塩分量の抑制やリラックス効果、満足感UPなどのメリットがあるのでいいことづくめの食品です。

栄養素は出がらしの方にも残るので、栄養補給ではやや劣ります。出がらしの具材まで食べたいのなら、具材とともに出汁を楽しめる煮込み料理がよいでしょう。

出汁でうまみと栄養の両方から健康をサポートしてください。

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