【役立ちコラム】出汁の塩分は何グラム?減塩できる出汁の選び方と使い方も解説

出汁の塩分は何グラム?減塩できる出汁の選び方と使い方も解説

鰹や昆布でとる「出汁」は、味噌汁から肉じゃがなどさまざま料理で使う、日本食には欠かせない存在です。

粉末や液体などの出汁は手軽に使える一方で、塩分が含まれていることも多く、気づかぬうちに塩分過多となるリスクがあります。塩分量を把握し、適切な使い方をすると、減塩しながら美味しい食事が作れるでしょう。

本記事では出汁の塩分量と減塩するための適切な出汁の選び方を解説します。

日本人は塩分を摂り過ぎている?

日本人の1日あたりの平均食塩摂取量は約10gとされており世界保健機関(WHO)が推奨する摂取量(1日5g未満)の約2倍摂取しています。

調査結果のある1995年から長期的にみると減少傾向であるものの、アメリカや韓国と比べても高い数値であるのが現状です。

引用:厚生労働省|日本人の栄養と健康の変遷

日本人が塩分を多く摂取してしまう主な原因は、和食の基本調味料である醤油や味噌の使用量の多さにあります。

醤油や味噌は内容量に対して塩分含有量が高く、日本食中心の生活を送るだけで塩分過多になるおそれがあります。

また、ハムやベーコン、かまぼこやちくわなどの加工食品には塩分が多く含まれており、加工食品を控えるのも、減塩を守るために重要です。

塩分の摂り過ぎが原因でリスクが高まる5つの疾患

塩分を摂り過ぎる生活が続くと、さまざまな病気リスクが高まるといわれています。

  • 血圧上昇
  • 心臓負担の増加
  • 腎機能の低下
  • むくみ

5つのリスクについて詳しく解説します。

血圧上昇

食塩の成分の一部であるナトリウムを摂りすぎると、血中のナトリウム濃度が高くなります。体内で上昇したナトリウム濃度を元に戻すために、血液量が増加し血管壁を押す力が強くなった結果、血圧が上昇します。

高血圧が進むと、全身の血管に負担がかかり続け、動脈硬化を引き起こすため注意が必要です。血管壁を硬くして弾力性が失われると、突然の血圧変動時に破裂するリスクが高まります。

日本人の高血圧患者は推定4,300万人と言われ、そのうち3,100万人は生活習慣の改善が必要とされています。

心臓負担の増加

高血圧が続くと心臓につながる太い血管にも負担がかかり、「高血圧性心疾患」を引き起こします。

高血圧により血管が硬くなると、心臓はより強い圧力をかけて血液を送り出すため、心臓の筋肉が発達し心肥大を引き起こします。

心肥大は弁膜症や心不全、心筋梗塞などの病気につながるため、まずは血圧を正常範囲内に戻すことが重要です。

腎機能の低下

腎臓は血液中の老廃物を濾過する役割を担っているため、血圧が上昇すると腎臓への負担が大きくなります。

高血圧状態が続くと腎臓の細かい血管が傷つき、機能が低下すると「慢性腎臓病(CKD)」を引き起こすおそれがあります。

ナトリウムはカルシウムと一緒に腎臓から排出される性質があり、尿路結石のリスク向上も認識しておきましょう。骨からカルシウムが流出して「骨粗しょう症」のリスクも上昇する可能性もあります。

むくみ

塩分を多く摂取すると、体内では塩分濃度を一定に保とうとして水分を溜め込む働きが活発になり、むくみとして現れます。

むくみは足や手などの末端部分だけでなく、内臓の周りにも水分が溜まる場合があります。

傷の治りが悪くなったり、肺に水が溜まって呼吸が苦しくなったりすることもあるため、むくみが起こりにくい生活を意識しましょう。

胃への負担

塩分の多い食事は胃の粘膜にダメージを与えやすく、胃炎を引き起こす原因のひとつです。

胃の粘膜が傷ついた状態では、ピロリ菌の感染も起こりやすくなることが危惧されています。

日本人は胃の不調が多いと言われているため、塩分の摂りすぎには気を付けましょう。

出汁を活用して減塩ができるメカニズムを3つの理由で解説

昆布や鰹、いりこなど、出汁を正しく料理に活用すると、通常の食事よりも減塩できます。

出汁で減塩が可能なメカニズムは以下の3つです。それぞれ詳しく解説します。

  • 調味料の塩分に比べて鰹節や昆布は塩分が少ない
  • 出汁の旨味成分が満足感をもたらす
  • 旨味と塩味の相乗効果

調味料の塩分に比べて鰹だしや昆布だしは塩分が少ない

和食に使用する調味料と出汁に使う食材を含む塩分量には、大きな差があります。

食材100gあたりの食塩相当量(g)
醤油(こいくちしょうゆ)14.5g
味噌(米みそ)9.7g
昆布だし(水出し)0.2g
鰹だし0.1g

参考:文部科学省|食品成分データベース

醤油を出汁のように大量に使用はしないものの、出汁は調味料に比べて圧倒的に塩分量が少ないことがわかります。

出汁の旨味成分が満足感をもたらす

出汁を取る素材には、さまざまな「旨味成分」が含まれています。以下のような旨味成分の存在が、塩分の少ない料理でも満足感を与えてくれる理由です。

旨味成分代表的な食材
グルタミン酸昆布、トマト、チーズ
イノシン酸鰹節、煮干し、肉、魚
グアニル酸干し椎茸、海苔
アスパラギン酸大豆、落花生、アスパラガス
コハク酸しじみ、あさり、発酵食品

味覚の五味(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)のうち、仮に塩味が弱くても上記の成分で物足りなさを補い、美味しさを損なわず満足感のある料理に仕上がります。

特に和食の場合、昆布と鰹のように複数の出汁素材を組み合わせで旨味の相乗効果(グルタミン酸とイノシン酸の組み合わせなど)を生み出し、より深い味わいを作り出す工夫がされています。

旨味と塩味の相乗効果

うま味調味料(主にグルタミン酸ナトリウム)に代表されるように、旨味成分は塩分とセットで摂ると、食品をより美味しく感じさせる効果があります。

旨味成分には塩味の「角」を取って柔らかく感じさせる効果があり、少量の塩分でも十分な味わいを感じられます。

出汁の選び方は「食塩相当量」を確認すること

市販のだし製品を選ぶ際に重要なポイントは、パッケージに記載されている「食塩相当量」の確認です。

食品の栄養成分表示に記載されている食塩相当量を見れば、摂取する塩分量を計算できます。調味料やだし製品を購入する際に、食塩相当量欄を確認する習慣が減塩への第一歩となります。

ただし、製品によっての表示方法の違いに注意が必要です。「1食あたり」の表示と「100gあたり」などさまざまな表記があり、単純に数字だけを比較すると誤解を招く場合があります。

液体タイプと顆粒タイプでは1食当たりの食塩相当量が異なるため、実際の使用量に換算して比較するようにしましょう。

顆粒だし・液体だし・だしパックの特徴や使い方を解説

鰹や昆布、しいたけなどを煮出して出汁をとる以外に、市販のだし製品を利用する方法として、顆粒だし、液体だし、だしパックの3種類があります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、用途に応じての使い分けを覚えましょう。人は胃の不調が多いと言われているため、塩分の摂りすぎには気を付けましょう。3種類の塩分量や使用方法について解説します。塩分量や使用方法について解説します。

顆粒だし

顆粒だしは粉末状の出汁で、汁物、煮物、炒め物など幅広い料理に使いやすいのが特徴です。

一般的な和風顆粒だしで味噌汁を作った場合、味噌は計算に入れず1杯あたりの塩分量は約0.37g。一見少なく感じるかもしれませんが、1日3食で味噌汁を飲むと約1.1gの塩分となり、WHO推奨数値(1日5g)の約2割を占めます。

また、一般的な和風顆粒だしの全体の成分構成を見ると、食塩と砂糖類の比率が高い点も知っておくべきポイントです。手軽に使える反面、塩分摂取量は確認しておきたいポイントです。

液体だし

一般的な和風液体だしの場合、本体100gあたり16.5g程度の食塩相当量を含んでいます。

液体だしは溶けやすく使いやすい反面、計量しないと使いすぎてしまう可能性があります。多くの液体だしには醤油も含まれているため、気づかないうちに塩分を多く摂取してしまうかもしれません。

液体だしを使用する際は、あくまで「出汁」ではなく「出汁を含んだ調味料」という認識で使う意識が大切です。料理に合わせて使用量を調整し、他の調味料との併用して、塩分摂取量をコントロールしましょう

だしパック

だしパックは原材料名に食塩や還元水あめなどの記載がなく、鰹節や煮干し、昆布などが主体となっている、出汁そのものが味わえる製品です。

一般的な出汁パック100gあたりの食塩相当量は2g以下と比較的低く、タンパク質が約70gと高いのが特徴です。

ただし、他のだし製品に比べて価格が高く、煮出すために約10分程度の時間がかかるなど、手間やコストの面では課題があります。

だしパックは煮出したパックの中身を食べるケースはまれなため、せっかくのタンパク質を摂取できない部分も難点です。

美味しく減塩できる「KAKEDASHI」を活用しよう!

日本人の食生活は、海外に比べ塩分摂取量が多い傾向にあります。塩分の過剰摂取はさまざまな病気のリスクを高める可能性があり、若いうちから意識的に塩分を控えた食生活の取り組みが大切です。

塩分を控えた食生活を送るためには、出汁の活用が重要です。出汁の旨味成分を利用すれば塩分を減らしながらも満足感のある料理を作れます。

塩分を控えながらも手軽に美味しい料理を作るなら、「KAKEDASHI」が便利です。出汁の素材をそのまま食べることで栄養バランスもよく、長期的に見てもコストパフォーマンスに優れています。
「KAKEDASHI」を活用した減塩生活を始めて、美味しく健康的な食生活を送りましょう。

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